出来事の合間の会話の中、相手に真っ向から告白するので無く、ごく普通の気遣う言葉に、好意が滲み出ていてその細やかな表現が愛おしい。ステキな作品です。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(79文字)
婚約者の不貞に心痛める侯爵令嬢に懸想し励ますも、貴族位が低く然も三男の令息が、官吏となり身を立て、爵位を得てその令嬢と将来ダンスを踊れる事を夢見ていたのに、彼女に想いが伝わり結婚するという、男性版シンデレラストーリーに感動しました。元婚約者と彼の不貞相手の浅慮の拙さが滑稽に描かれ、二人の不幸の行く末に、ざまぁ、を感じました。只、隣国の王子の登場と彼がヒロインへ求婚するもそれを袖にする展開は些か他の作品ては王子と結ばれると匂わせるのに、と意外に思いました。
家のため、皆のためと自分を押し殺していた恋(物語の王子様との幻想)は終わり、愛が始まったのですね!とても良かったです!!
契約と約束に縛られて眠らせていたヒロインの恋、身分の違いから心に秘めた友人の恋、ヒロインへの劣等感を拗らせた婚約者の真実の恋(笑)、一目惚れのような王子様の恋、等々様々な恋模様はその終わり方もまた様々。文章が読みやすくてスラスラ読めますし綺麗な終わり方で読了感が清々しい。ハッピーエンドなので安心して読めますよ。