戦略を練り、陣を動かす軍師。
　
　時には味方にすら真意を黙って、とにかく勝利を近づける。
　孤高で、重い責任を持つ立場です。
　相当な知恵者でなければ務まらないでしょう。

　さて、三国時代を代表する軍師といえば？
　やはり諸葛孔明、そして司馬懿は外せません。

　本作の舞台は五丈原の戦い。
　孔明にとって最期の一戦であり、最大のライバルであった司馬懿と直接対決した場面です。

　展開はね、三国志に沿っているんです。
　死せる孔明生ける仲達を走らす、という故事の通り。孔明は戦中に亡くなり、司馬懿は敵軍の撤退を見逃すわけですが……

　その内情が面白い！
　まさか、そう考えていたとは。

　三国志のような伝記って、時代と共に別バージョンが生まれるもの。
　ひょっとしたら我々は、新しい伝説の誕生に立ち会ったのかもしれません。

　ご一読を！

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（171文字）

三国志演義好きなら誰でも知る名シーンの新解釈！　脳裏には横山光輝の絵柄でひとり相撲する仲達が浮かんで笑ってしまいました。孔明の策謀に振り回されてきた仲達の心に穏やかな春風が吹いた五丈原……そんなのありかい、とツッコミつつ許せちゃうショートショート風コメディ。よかったです。

三国志にはこう言った新しさが必要！

面白かった！

まったく、私が贈ったアレにそこまで心を乱されるとは……この孔明、恥ずかしくて顔から火が出そうです。
そして度重なる勘違い……普段の冷静沈着かつ実直なお仕事ぶりのために、将兵たちをうまく誤魔化せたようですね。それにしてもダダモレすぎて「なんだかな」って感じなんですけど。
まっ、私はなきがらを定軍山に葬らせましたので、そのうちかぎつけてお墓参りに来ますかねぇ。そしたら化けて出て、驚かせてさしあげましょう。フフフ。

これは盲点でした…笑笑笑
孔明、仲達、え、ジャンル…ラブコメ？え？

と思ってクリックしたらびっくり仰天。

読んでて吹き出した三国志は初めてかもしれません笑笑

丁寧な作りで真剣に焦がれる様がちょっと滑稽で。
控えめに言って天才です。
お見事！

三国志ファンならご存じ、諸葛孔明死去の場面を描いた本作。
「死せる公明、生ける仲達を走らす」の故事を新解釈で描いている訳なのですが、これがなかなかの新解釈。

何故か女装趣味がある司馬仲達が、孔明から送られた婦人服を見て心をときめかせるという出だしが、まず面白い。
作中で起こっている出来事自体は、一般的な三国志演義と全く同じ。
にも関わらず、そこに新しい要素が加わることで物語は全く新しい様相を呈してきます。

歴史好きな方ならきっと楽しめる、好作です。

　すばらしい！　ブラボー！　
　秋風五丈原の斬新な新解釈。きっと真実はこれですよ！

　しかし、この申し分ない文章力、構成力。だけどストーリーは、こないだ、何晏《かあん》の生涯を格調高く著した作者とは到底思われないくずれっぷり！　あれの次にこれかよ？　って感じですｗ　持てる才能を、これでもかと勿体ない方向に活かしています。こういうの大好きです！　

　そういえば、あの将棋とか宇宙戦艦ムサシとか書いていたあの人にも、同じような感想を抱きました。。

　遊び心って大事よね。陽水もそうよね。って思う好編でした。