本作は、主人公の女性・美琴が転生することにより16回の生を送る物語なのですが、総文字数で2万文字超程度の作品となります。要は、美琴がバンバン死にます。
その死にっぷりが非常に良くて、わんこそばか何かと思うぐらい、テンポよく死んでいきます。転生先のチョイスも作者様の感性が光っており、ミミズやらハシビロコウやら、バラエティに富んでいます。これらは、まだ生易しい方で、もっと、えげつない…いや驚くような転生先もあって、次は何に転生するのかというワクワクが止まりません。
各話はコンパクトながらよく練られており、基本的にはコメディ路線ながらも、それぞれの生物の不思議な生態が自然と理解できる構成になっています。ユニークな笑いの中に、命の多様性や神秘を感じさせてくれるところも魅力です。
いきもの好きなら必ず満足する奇想天外な転生物語だと思います。おすすめします!
主人公美琴が、また再び美琴に戻るまで、
セミやら、鳥やら、虫やら、植物やら、果ては無機物まで!? に転生し、
その生を全うしていくというだけの物語なのですが、これを是非広めたい!!
これが本来の、『転生』であると。
しかし、私がこの物語の一番好きな部分は、
前向きなんです!! 主人公がとにかく!!
「生まれ変わっちゃったんだから、仕方がない」
この精神を、口で言うのは簡単ですがなかなか実践はできたモノではない。
美琴はそれを体現し、生まれ変わった環境に決して嘆かず、
生まれた瞬間から適応しているのですなんのプロなんだこの人は!!!
しかも、作家先生の七月七日先生、復帰明けアカウントによる投稿と考えると、
まさに『生まれ変わり』を体現した先生のシンボルとしてふさわしい一作となっております。
いずれにしても、強力なバイタリティと前向きな心で『生』と向き合う主人公からは、
一日を乗り切る勇気と気力と元気を、必ずもらえます!!
と言うか、悩んでいることがバカバカしく感じます!!
強くお勧めいたします!!
是非!!ご一読を!!!
輪廻転生により、さまざまな動植物に生まれ変わり(一部例外あり)、16回の命を生きた少女(?)の物語。
セミ、ミミズ、コノハズク……などなど動植物の知識・うんちくを楽しむことができる。ミミズが意外な役に立っていて驚きました。そして、生まれ変わるからには死がある。諸行無常な動植物の世界を実感できます。
読みやすく技巧的な小説です。知識ばかりの内容というのは結構読みづらいもの。しかし、本作は知識とストーリーが自然な形で結びついているので、内容がすっと頭に入ってくる。ずっとワクワクしながら読んでいられます。
動物好き、植物好きだけじゃなく幅広くおすすめできる一作です。
十六回目にして人間に転生した美琴さん。
彼女は果たして、いかなる転生を繰り返してきたのか!?
蝉やミミズ、寄生虫に超巨大な花やハシビロコウ、さらには呪いの……!
普段は注目されることの少ない、バラエティ豊かな生物たちの生き様を見ることができます。
さらには、美琴さん自身による詳しい生態解説付き!
(子供の頃に聞かされていたミミズに関する言い伝えを、本作でようやく知ることができてスッキリしました!)
話のテンポが良くて、サクサクッと読み進めることができるのですが、どの命に転生しても元気に生き抜こうとする美琴さん、本当に素晴らしい!
是非ともご一読下さい!!!
女性のミコトが輪廻転生で何度も動物や植物、はたまた、生物外に生まれ変わる輪廻転生の物語です
ミミズ、ミミズ、シデムシ、ハシビロコウ、コウモリ、こんにゃく、ハエトリ草・・・
多くの生き物に生まれ変わり、必ず死んで、生まれ変わる物語
それぞれの生き物の生態について詳しく説明されるので、生き物が好きな人にお勧めです
私もこの話を読んで初めて知ったことがあります
体から乳が出るカモノハシには乳がなく、Gカップカモノハシなど存在しないということもその一つです
仏教で動物に生まれ変わるのを畜生道と言いますが、なかなか人間になるのは難しいんだなと思わせてくれる小説、面白いので、お読みください
フヅキ女史による、16回も転生した美琴嬢の物語です。
おそらくは最後に人間に生まれ変わるまで、16回も、ミミズやらフンコロガシやらに転生し、都度、いい男を見つけてその生を全うします。
わたくし、前から、これが輪廻転生の実情なんじゃないかと思ってたんです。そう、ハタと膝を打ちました。
だって、世の中には生物なんて無数にいるわけでしょう? ミドリムシやらノロウィルスやらに転生する可能性の方がずっと大きいわけでしょう。なのに、なんでいつも人間に転生して、しかも神様からチート能力を授かるんだ、おかしいだろ? と思っておりました。
わたくしも、次に転生したら、ジトっと湿った石の裏にはいつくばるダンゴムシになるかも知れない。。だけど、ダンゴムシにも、きっと悪い王様とか、レジスタンスとか、恋のさや当てとか、いろいろあるに違いない。わたくしは、その中で名誉ある地位を占めたい、と思っております。
この作品の優れたところは、転生した各生物の生態が詳しく紹介されており、マメ知識の蓄積にも一役買ってくれることです。ま、ミミズの豆知識、あんまり活かす場もないかも知れませんけどw
自信をもってお勧めできる作品です。是非どうぞ。
これぞ、生まれ変わりの面白さです。
元々、生まれ変わりと言えば仏教的な「輪廻転生」の思想こそが本家です。
当作品ではそうした輪廻転生の思想に基づき、「様々な生き物」に生まれ変わる女性の姿が描かれて行きます。
蝉、ミミズ、コノハズク、フンコロガシ、と、生まれ変わる先の生物は、正直「なりたい自分」とは程遠い生き物ばかりです。『あまり仮面ライダーの怪人にも使われてこなかった奴ら』という枠組みにもなれそうですね。
だが、それが面白い!
あまり馴染みのない生き物だからこそ、その生態を追体験する楽しさが増し、新鮮な視点で世界が見られるというもの。
その上で生物に関する薀蓄が学べるので、読んだ後は一つ賢くなって帰れるというお得感。
個人的にポイントが高かったのは、第四話のフンコロガシの話の際に、「ファーブル昆虫記の一話目はフンコロガシ」というエピソードが出てくるところ。
実際にファーブルの本に触れてみた人は、最初のモチーフを見て面食らうという「あるあるネタ」です。カブトムシとかカッコいい物を求めていた人はそれで挫折し、「シートンの方がいいや!」と流れてしまうのもお約束です。
視点の新鮮さ、モチーフの新鮮さ、そして知的にちょっと満たされる感じ。
そういう色々が味わえる作品です。
次はどんな生き物が出てくるか。乞うご期待!