≪セーブポイント≫カクヨム短歌賞1首部門 応募作品
蜂賀三月
1首部門・応募作品
進んではいけない恋で信号はピーヨピーヨと囀っている
詰め甘い指重ねれば見えてくる うちらなんにもないってことが
一度だけ抱かれた夜を抱き抱え一生分の夜へと向かう
アレクサに命ずるように私にも「一緒にいて」と言っていい距離
きみが好きだから実家でボロボロの絵本がどれか見つけてみたい
手数料支払う愛だってあるんだって Amazon Fire TV Stick
ぶつ切りの気持ちを撫でて滑らかな七七にするささくれた指
十万の文字を煮詰めた四文字の感想に引くアンダーライン
「小説を書いてるんだ」と言う君は悪口さえも、きらきらしている。
言わないとわからないことが多いのに別れたいのは気づいてしまう
朝の陽を素直に抱いた日にそっと死んでたネオンテトラが光る
ゴミ箱に一度入った教科書にたしかに在った道徳の文字
物語る母の
パンくずもない夜の森ひとりきり 魔女はお菓子の家で死んでる
綿菓子をちぎればそこに台風の目がある夏の祭りの屋台
短冊に「死にたい」なんて代筆を頼まれたとは誰にも言えず
骨壺に永遠の春、描かれてキミと一緒に膝で揺れてる
「らしくない」ことはたくさんあるけれど「それでもしたい」らしさはいらない
≪セーブポイント≫カクヨム短歌賞1首部門 応募作品 蜂賀三月 @Apis3281
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