まず鋭い試みだと感じたことがひらがなの扱いです。波打つみたいにひらがなと漢字が配置されています。常用外の難読なものもあるのだけどひらがなのおかげでおそらく誰でもリズムで読めます。このやり方、バランス感覚非常に優れています。その試みがテーマにも深く関わっていて、まだ幼い男性的な自我が尊い異性と会って、どうしても近づけないような違いを感じる話かな?男女感の違いを幼さの中で書くことで臭みがなく、汚れやすテーマが純度を保ったまま書かれています。おすすめです。
情景描写が濃く、文体も相まってとても魅力的に作品への没入感を与えてくれます。暗喩的な描写が多いことがなかなか未熟な自分には難しい部分も多いように感じましたが、文章の至る所から感情が伝わってくるようでした。この作品を読めて良かったと思えます。
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