美容整形で憧れの芸能人の顔に近づけるのはやめましょう。

憧れの芸能人に美容整形で似た顔になってしまった主人公、
しかし真真理にも似すぎたしまったようで……。
どうやら他人に似すぎるのは良くないようです。

この物語は、ただの芸能人への憧れが、次第に自己同一化や暴走へと変わっていく様子をリアルに描いていて、とても引き込まれました。

主人公は水田R**美ちゃんというタレントに強く惹かれ、外見だけでなく生き方や生活スタイルまで真似しようとします。その過程で美容整形という一線を越える選択をする場面には、現代のSNS時代における「理想の自己像」と「現実の自分」との間で揺れる心がリアルに表れていると感じました。

芸能人のような顔になりたい。
こう思う人は大勢いると思うが、この物語の主人公は、骨格の土台が似ていることから、憧れの芸能人にそっくりに整形手術を受ける。

しかし、彼女は似すぎてしまっていた。

感想：整形手術で憧れの人そっくりになるということには、自分自身のアイデンティティも失われることがある、という恐ろしさを味合わせてくれる物語。
整形は今の時代、それほど忌避されることではないけど、限度があるよ、といういい教訓になりました。オススメです💖

読了したので書きます。

教訓。この作品を言い表すのならば、この言葉が最も当てはまるような気がします。誰もがやりかねない落とし穴。虚飾しかなければ、何も見えないのです。

前に『BLEACH』を読んでいた際に藍染惣右介が「憧れは、理解から最も遠い」という旨の台詞を言っていましたが、この作品以上にこの言葉が相応しいキャラが登場する作品もないでしょう。

しかしながら、人とは必ずしも全てを合理的に判断し、動けるものにはなく。

ただ憧れるがままに背を追いかけた末路、しかと見届けてください…｡

憧れて憧れて、その果てにあるものは何か。
短く纏まった良質なホラーですので、是非ご覧になってはいかがでしょうか。

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（208文字）

『あこがれ』に近付きたい。その一心がどんどん地獄の入り口に近付いていく。
どんなに好きな見た目でも、外身だけでなく中身も伴わないとね、というのは主人公にせよタレントにせよ、というところでしょうか。
気付いた時にはもう遅い、手遅れになっていく主人公の辿り着く先とは……ぜひご自身の目で確かめていただきたい一作です。

　虚飾を追い求めた先には、やっぱり何かの「落とし穴」がある。そういう怖い「フラグ」がひしひしと感じられる作品でした。

　大好きなタレントの水田ちゃんに憧れ、彼女そっくりの顔に整形をすることを決めた主人公。

　水田ちゃんには色々と悪い噂もあるようだけれど、「カワイイからそんなの嘘」と切って捨て、ただ水田ちゃんへの「好き」だけを突き詰める。

　でも、「芸能人に顔を似せること」はやめるようにと忠告は受ける。
　それでも止めることはできず、顔を似せるだけでなく、仕草などまで研究し、どんどん「彼女そのもの」になっていくことに満足を覚えるようになる。

　しかし、その先に待っているのは……。

　…続きを読む